確定申告用に IC カードリーダライタを用意する
2018年度の税制改正により、2020年分(2021年に確定申告する分)から青色申告特別控除を最大額で受けるためには e-Tax による電子申告が必要となります(正確には電子帳簿保存でもよいのですが、電子申告のほうが対応が楽なので)。
e-Tax による電子申告を行う方法はいくつかあります。その方法によっては、IC カードリーダライタが不要な場合もあるので、まず、 IC カードリーダライタを用意する必要がないケースについて確認しておきます。
2020年の確定申告で IC カードリーダライタを用意しなくてもよいケース
IC カードリーダライタを用意しなくても e-Tax による電子申告を行うことができる利用パターンは以下のとおりです(2020年の確定申告時)。
ID・パスワード方式で e-Tax を利用する場合
2020年(2019年度)の確定申告からID・パスワード方式で e-Tax を利用できるようになりました(制度説明のページはこちら)。この方式を利用する場合、本人認証のためにマイナンバーカードを使う必要がないので、IC カードリーダライタを用意する必要がありません。
スマートフォンで e-Tax を利用する場合
本人認証にマイナンバーカードを利用する場合であっても、スマートフォンで e-Tax を利用する場合には、スマートフォンを IC カードリーダライタとして使うことができるので、IC カードリーダライタを用意する必要がありません。
スマートフォンによる e-Tax の利用も 2020年(2019年度)の確定申告から開始される新しい方式です。マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンのリストはこちらにあります。リストには iPhone も入っていますが、IC カードの読み取りに対応しているのは iOS 13 からなので、リストに入っている iPhone であっても、OS のアップデートをしなければ使うことができません(App Store に「マイナポータルAP」が表示されない)。
Android スマートフォンを IC カードリーダライタとして利用する場合
さらに、PC と Android スマートフォンを Bluetooth で接続し、Android スマートフォンを IC カードリーダライタとして利用することもできます。この方法が利用できるのは、現時点では Windows と Android スマートフォンの組み合わせに限られるので注意が必要です。必要なセットアップ方法は、こちらに紹介されています。
結局、IC カードリーダライタを用意する必要があるのは?
結局、e-Tax による確定申告を行うにあたってIC カードリーダライタを用意する必要があるのは、次のケースです。
- 本人認証にマイナンバーカードを利用する
- PC から e-Tax を利用する
- Windows の場合、①PC 側が Bluetooth 接続に対応していない、②iPhone または IC カードリーダライタ機能に対応していない Android スマートフォンを使っている、のいずれかに該当する
- Mac を使っている
Apple 製品持ちには厳しい結果ですが、少数派なので仕方ないですね。iPhone と Windows PC の組み合わせは割と多いような気がするのですが、iPhone と Windows PC を Bluetooth で接続することはできても、ファイル転送ができない(FTP プロファイルをサポートしていないため)ので、現状ではいかんともしがたいです。
どの IC カードリーダライタを選んだらよい?
IC カードリーダライタを用意しなければならない場合、どの IC カードリーダライタを選ぶかが次に問題となります。Amazon などで検索すると、「マイナンバーカード対応」とか「e-Tax 対応」と書かれた商品がたくさん表示されますが、公的個人認証サービスを運用している地方公共団体情報システム機構が提供している「公的個人認証サービスに対応したICカードリーダライタの適合性検証ツール」を使用して検証された製品を選ぶのが安全です。検証済製品の一覧はこちらから確認することができます。
Mac でも Windows でも利用したい場合
Mac でも Windows でも利用したい場合には、選択肢が非常に限られます。非接触型(リーダライタの上に IC カードを置いて使うタイプ)だと、NTTコミュニケーションズの ACR1251CL-NTTCom くらいしか選択肢がないと思います。
次に紹介する PaSoRi のように、交通系 IC カードや Edy の履歴を取得するソフトが提供されていない(ハードウェア的には読み書き可能な気がするのですが)ので、個人利用の範囲だと、ほぼ e-Tax 専用になってしまうのが残念ですが。
Windows のみでよい場合
Windows で利用できればよい場合には、SONY の PaSoRi RC-S380 がよいのではないでしょうか。付属ソフトが充実していて、交通系 IC カードの履歴確認や Edy や WAON のチャージもできるので。とはいえ、そんなに利用頻度が高いとは思えませんが。。
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