Alacritty を使いやすくカスタマイズする

Alacritty は、Windows、Mac、Linux で利用可能なターミナルエミュレーターです。描画の速さを売りにしていて、実際、他のターミナルエミュレーターと比べて、キビキビ動いているような気がします。

Windows の場合、以前の記事で紹介した、Chocolatey を利用してインストールするのが簡単です。

choco install alacritty

でインストールできます。

設定は %APPDATA%\alacritty\alacritty.yml をテキストエディタで編集して行います。私が変更した部分について、いくつか紹介します。

リモートホストにアクセスしたときに表示が乱れるのを防ぐ

私の環境では、デフォルトの設定のままだと、リモートホストにアクセスしたときに、画面のクリアがうまくいかず、前に表示されていた内容が残ってしまい、新しく表示したものと重なってしまったり、vim でファイルを編集しようとしたときに、カーソルキーが使えなかったりしました。

リモートホスト側の vim の設定ファイルを編集するなどしても効果がなく、途方に暮れていましたが、下記の設定でうまく動くようになりました。


env:
  # TERM variable
  #
  # This value is used to set the `$TERM` environment variable for
  # each instance of Alacritty. If it is not present, alacritty will
  # check the local terminfo database and use `alacritty` if it is
  # available, otherwise `xterm-256color` is used.
  #TERM: xterm-256color
  TERM: cygwin

環境変数 TERM に cygwin を渡しています。

表示フォントを変更する

私はエディタの表示フォントに Myrica(Myrica.ttc のほう)を使っているのですが、Alacritty でも表示フォントに Myrica を使うには、以下の設定を行います。


# Font configuration
font:
  # Normal (roman) font face
  normal:
    # Font family
    #
    # Default:
    #   - (macOS) Menlo
    #   - (Linux) monospace
    #   - (Windows) Consolas
    #family: monospace
    family: Myrica M

フォントサイズの変更などは、size: の項目を変更することで、お好みのサイズに変更できます。

表示色を変更する

テキストや背景の色などについては、Alacritty の Color schemes のページにカラースキームが載っているので、それを参考にするのが手っ取り早いです。私は Solarized Dark にしています。


# Colors (Solarized Dark)
colors:
  # Default colors
  primary:
    background: '0x002b36' # base03
    foreground: '0x839496' # base0

  # Cursor colors
  cursor:
    text:   '0x002b36' # base03
    cursor: '0x839496' # base0

  # Normal colors
  normal:
    black:   '0x073642' # base02
    red:     '0xdc322f' # red
    green:   '0x859900' # green
    yellow:  '0xb58900' # yellow
    blue:    '0x268bd2' # blue
    magenta: '0xd33682' # magenta
    cyan:    '0x2aa198' # cyan
    white:   '0xeee8d5' # base2

  # Bright colors
  bright:
    black:   '0x002b36' # base03
    red:     '0xcb4b16' # orange
    green:   '0x586e75' # base01
    yellow:  '0x657b83' # base00
    blue:    '0x839496' # base0
    magenta: '0x6c71c4' # violet
    cyan:    '0x93a1a1' # base1
    white:   '0xfdf6e3' # base3

起動時のシェルを Git Bash に変更する

Windows の場合、デフォルトでは起動時に PowerShell が立ち上がりますが、これを Git Bash に変更し、かつ、設定したディレクトリ(以下の例では、C:\home\hoge)をホームディレクトリに設定した上で、そこに移動した状態にします。


# Shell
#
# You can set `shell.program` to the path of your favorite shell, e.g. `/bin/fish`.
# Entries in `shell.args` are passed unmodified as arguments to the shell.
#
# Default:
#   - (macOS) /bin/bash --login
#   - (Linux) user login shell
#   - (Windows) powershell
#shell:
#  program: /bin/bash
#  args:
#    - --login
shell:
program: cmd /c "set HOME=C:\home\hoge& "C:\Program Files\Git\bin\bash.exe" --login -i"

# Startup directory
#
# Directory the shell is started in. If this is unset, or `None`, the working
# directory of the parent process will be used.
working_directory: /home/hoge

まだβ版扱い(The software is considered to be at a beta level of readiness)ということもあり、設定周りについて特に日本語情報が少ない感じですが、シンプルで速いターミナルエミュレーターを探している人には適していると思います。

この記事を書いた人
グッドネイバー

“ Webに悩むお客さまの「よき隣人」でありたい ” をモットーに、Web システム開発(主に Laravel)、Web マーケティング支援の仕事をしています。お仕事のご依頼・ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。